Negative Room
奥側の目立たない部屋。室内の95%以上がゲーム。(2005 september 8th=入居開始)
新たな弾幕世界の開拓者「怒首領蜂」
メーカー=販売:アトラス 開発:ケイブ
ジャンル=縦スクロール弾幕シューティング
プラットフォーム=AC、SS、PS(PS版移植元:SPS)

評価=☆10

・ストーリー
昔、大きな戦いがあった。
「異星人」の名を持ったそれは反乱でも侵略戦争でもなく、自分たちの軍隊をより強くするために行われた演習戦争という極めて異質なものであった。
やがて、7年にも及んだこの戦いにも終わりが訪れ、勝ち残ることが出来た兵士達を、人々は首領の命令に従うのみの働き蜂・・・「首領蜂」と呼び、さげずんだのだった・・・。

・・・そして時が流れ、全ての罪と過去を無のものにしてしまった時の事である。

突如、星団系外を周回していた第七星団艦隊が消息を絶ってしまった。そしてその直後、「機械化惑星人」と名を持つ謎の軍隊が攻撃を仕掛けて来たのである。
突然の襲撃に対抗すべく多数の大艦隊を出撃させるが、機械化惑星人が持つあまりの軍事力を前に為すすべもなく、敗北の連続であった。
事態は悪化の一途を辿り、絶望のみが覆い尽くそうとした中、我々の首領であり切れ者司令官である「シュバルリッツ=ロンゲーナ大佐」からある作戦が持ち出される。
「私の目に狂いはない。」・・・この高慢な一言が首領おきまりの第一声である。
「今日集まってもらった君達は、私の作戦に基づき、この新型超最強撲滅戦闘機DO-N82に乗って、敵、機械化惑星人を打ち砕いてもらう。」
・・・首領の命令は絶対である。彼の作戦に反対することは一切許されない・・・。
納得行く理由も説明されずに、我々は絶望的な状況の中、たった二機の戦闘機のみで立ち向かうことになったのだった。
・・・これが働き蜂の運命とするのであれば、あまりにも無慈悲であった・・・。


怒首領蜂は1997年にケイブ開発、アトラス販売で登場した2人同時プレイ可能の縦スクロールシューティング。本作はケイブの処女作である「首領蜂」の続編に当たります。ちなみにタイトルの読み方は「どどんぱち」と読みます。

本作の特徴はなんといってもこれまでの常識を超越するほどの画面中を飛び交う弾の多さにあるでしょう。
前作の首領蜂は最高55発でこの当時ではこれでも多い方だったみたいですが、本作では50発ぐらい飛び交うのは当たり前。先に進むと100発、200発ぐらいの弾が常時画面中を飛び交う光景が映し出されます。ちなみに本作の最高表示弾数は245発らしいです。
これだけの弾が飛び交っているという話を聞くと「すぐに死にまくってゲームが成立しないのでは?」と考えてしまいがちですが、ただ多数の弾が飛び交うだけのゲームでは終わらせていないのがミソ。
STGには自機や敵、弾に当たり判定という概念があり、自機の当たり判定に敵や弾の当たり判定が重なってしまうとミスになるという寸法になっていますが、実は本作の自機の当たり判定は非常に小さく設定されています。その大きさは自機の大きさが1とすれば当たり判定はその10分の1位とまさに米粒程度しかありません。
さらに敵弾の当たり判定が小さく、弾速もやや遅めに設定されているのも相まって、見た感じよりも弾避けがしやすく、慣れてきて意識して行えるようになるとこれがまた快感となってくる。
この多数の弾が飛び交う「威圧感」とそれを避けていくことによる「弾避けの快感」が多くのプレイヤーの支持を得て、今現在でも多くのゲーセンで稼働しているロングヒット作になっただけでなく、現在すっかり主流となった「弾幕シューティング」を普及させた功労者となったのです。

そしてもう一つの特徴は一つ一つの演出が派手な点。
前作はどこか地味な感じは否めまなかった演出でしたが本作では演出面がかなり派手になりました。
爆発音一つ一つがいい感じの音で、同じ爆発音を使っても雑魚毎に音の大きさを変えたり、別の爆発音と同時に鳴らしたりして同じように聞こえないようにするという凝りよう。そしてボス破壊時に至っては数秒の炎上の後、画面全体がホワイトアウト。そして大轟音を揚げて大爆発。この一連の演出はボスを倒したときの達成感と相まってかなり快感になります。
爆発以外でも画面全体を攻撃するスプレットボムを使うと、画面上を飛んでいた弾が全て得点アイテムである星アイテムに変化したり、前方に強力なレーザー攻撃をぶちかますレーザーボム使用時の演出が「これぞ攻撃用ボム!」と言いたく位派手だったり、ボスも負けじと極太レーザーキャノン砲や巨大ナバーム弾を使ってきたりと一つ一つの演出がとにかく派手。
がこんなに派手な演出が多数使われているにも関わらず、画面が見づらくなることがほとんどないのが本当に凄い。
本作は大量の弾というのに注目しがちですが、こういった「破壊の快感」を追求した演出面もなかなかいい具合に出来ているので個人的にはこっちの方にも注目して欲しいところですね。

BGMはオケヒットをふんだんに使ったクラシック調の前作とは異なり、バリバリのロックに変化しました。曲数はかなり少なくなりましたがどの曲もノリが良く、いい感じです。
特にボス戦の曲はボス戦での弾幕地獄による修羅場を曲だけで表現しきっていて、この曲が流れる前にはいやでも深呼吸して戦闘態勢になってしまいますね。
なお、この「ケイブの作品のボス戦=純熱血系の曲」と言う公式はエスプレイドや大往生などの後のケイブの作品でのスタンダードになりました。

シューティングには欠かせないスコアシステムですが、本作には多数のシステムが搭載されています。
まずはGPS(ゲット・ポイント・システム)というシステム。これは短い時間内で敵を次々と破壊していくと獲得点数がどんどん上乗せされていくシステム。詳しい理屈はややこしくなるので割愛しますが格闘ゲームの連続コンボの要領で連続で敵を破壊していけばOKです。なお本作では固い敵にレーザーを当てるとコンボ時間を維持できるようになったため前作よりかなり繋げやすくなりました。またこれが成立しているときは画面上にHIT数が表示され「今どれだけ繋いでいるか?」というのが一目瞭然。
一見すると簡単そうに見えますが、実際に狙うとなるとこれがなかなか難しい。だが上級者クラスになるとステージの開始からボス戦まで繋ぎきってしまう人も存在し、実際そのプレイやスコアがスロットの如く上がりまくる様は本当に凄まじいです。
でこのGPSはステージ道中のみに適応されて、ボス戦では代わりにボスヒットボーナスが適応されます。このボスヒットボーナスは画面上にHIT数が表示される点はGPSと同じですが、こちらはボスにレーザーを当て続けることで上昇し、当てないと減少していくとGPSより幾分単純なシステムです。
でこのシステムにはある仕掛けがあり、ボスの耐久力が少なくなりゲージの色が赤くなった時にレーザーボムをぶち込むとHIT数が凄まじい勢いで上昇します。多分これだけで100HIT位は稼げると思います。
そのほかにはボムが満タンか一つ空いた状態でボムアイテムを回収すると1秒間に1万単位でスコアが上昇するマキシマムボーナスや、隠しアイテムである蜂アイテムを回収し続けることによる蜂ボーナス、ノーミスクリアボーナス、弾消しボーナスなどがあり、どれも単純でつい狙ってしまいそうな物ばかりです。そしてそれらを狙いすぎてミスってしまうのはお約束で御座います。

難易度面はよく「高い、ムズイ」と言われてますが大往生、ケツイ、ガルーダIIと本作より高い難易度の作品が出ている今では本作はバランスがいい方なのでは、と思っています
まずは「初心者はこれを選べ!」といういわゆる強機体が用意されている点、実際その機体は他の機体をより使い勝手が良く、その分先へ進みやすいです。そしてその場復活でミスした後のパワーダウンもそれほどきつくなく、さらにミスすると最大6個までボムの保有数が増えたりとミス後の救済処置がかなり豊富なのでミス&ボムでのごり押し戦法が通用するのも丁度良い難易度設定に一役買っています。
面構成を見ても1、2面はそれほど難しくなく、3,4面は少々難しくなりますがアーケード作品と言うことを考えると妥当範囲。5面、6面辺りは切り返しが出来ないと厳しくなり、その分難易度がグッと上がりますがどんなに下手な人でも練習すれば必ず突破可能な辺りが素晴らしく、1周クリアの敷居も実はそれほど高くありません。
・・・が今1周クリアと言いましたが、本作は1周クリアしただけでは真の終わりとはいえず、1周クリア時に特定条件を満たす事で突入することが出来る2周目をクリアしてこそ真の制覇となります。
でその2周目の難易度は飛んでくる弾の量が1周目の約2倍になったり、ボスの攻撃が格段に強くなったりして1周目とは比べ物にならない位上昇。
そして2周目の6面ボスを落とすと画面がホワイトアウトしてメッセージが流れた後、黒幕が搭乗する最終鬼畜兵器「蜂」との対峙に。
この時点で破滅的な量の弾を放ってきますが、そいつをなんとかして落とすとついに真の最終ボスである「火蜂」との戦闘に突入。
もうやばいとかそんな物を通り越して笑いたくなる位の量の弾を放ってくる上、こちらがボムを使うと奴もバリアを張ってこちら側の攻撃が一切無効になるという無茶苦茶ぶり。その凄さは開発者でさえもインタビューで「気合いで避けてください」と言わしめてしまう位。
がそんな凄まじい代物をノーミスで倒してしまう猛者がいるのだからもう本当に凄いとしか言いようがありません。
ちなみにこの火蜂のサイズは自機とほぼ同じほどの大きさと一般的なラスボスのイメージから反するほどコンパクトなサイズですが、これには巨大なサイズのボスにするとスプライトの関係上、表示できる弾数に限界がでてしまい、「では大きさより弾の数でしょ!」ということであのサイズになったという恐ろしい逸話が存在します。
そしてこの破滅的な量の弾、ボムバリア、自機とほぼ同じサイズという伝統は後の大往生の「緋蜂」、ケツイの「エヴァッカニア・ドゥーム」、虫姫さまの「アキ&アッカ」に受け継がれていきます。

このゲームの欠点は、完璧な移植版が存在しない点に尽きます。
本作の移植版にはセガサターン版とプレイステーション版があるのですが、前者は処理落ちがなく、後者は一部の攻撃パターンが違っていたり、敵の当たり判定が変だったりと完全移植とは少し言いがたい物。
そして移植版の最大の欠点は低解度で縦画面のゲームを無理矢理横画面に納めるように小さくしたせいで、画面がとても見づらくなった事。そのおかげで弾が見づらくなり、とてもアーケード版と同じ感覚ではプレイできません。
つまり、アーケード版と同じ感覚でプレイするには基板を買うしかありません。しかもそうなるとコントロールボックスなどいろいろな物を揃える必要が出てくるのでこれは辛い。
なのでこの素晴らしいゲームを後世に残したり、普段STGをプレイしない人に触れてもらう意味で、PS2とかで完璧な移植版を出して欲しいというのがこのゲームが大好きな僕の切実な願いであります。
え、今となっては需要とかの問題で難しいですか?そうですか・・・orz

こんなに素晴らしいゲームにも関わらず完璧な移植版が存在しないのは厳しいですが、幸いにも本作のアーケード版は規模のあるゲーセンであれば比較的多く見かける作品ですので、これを見かけて「これ面白そうだな。」と思ったら尻込みせずに是非プレイしていただきたいです。
そしてこの経験を通じて「STGは面白いね」という感想をお持ちになり本格的にSTGに取り組んでいただければ、STG好きである僕にとっては本当に嬉しい限りです。

・最後に
現在本作のPS版は出荷量がかなり少なかったためか、とても入手しづらい状態になっています。値段もPS2版大往生の4000円台に対して5000円以上とかなり値が張っています。実際僕がPS版を見かけて買った時も5000円ぐらいはしました。なお、SS版は結構見かけるっぽいです。
・後書き
大好きですね、この作品。
レイストームがSTGの面白さを教えてくれた作品であれば、怒首領蜂はSTGの世界に本格的に入ることになった作品ですね。
アーケード初ALLは残念ながらこれではなかったですが(ちなみに初ALLはエスプガルーダ)、1周クリアした後も根気よく続けて初の2周目突入を達成したりしてましたね。まぁ、最高到達地点は2-2でしたが。
続編の大往生も同じぐらい大好きですが、思い入れという点を入れるとこっちの方を選ぶと思います。
まぁ、どちらにしてもまたプレイしたい作品で御座います。
ちなみにケイブの作品は怒蜂、大往生、ケツイが大好きですね。

次回のレビューは今のところ決まっていません。今のところ候補してはマーセナリーズかdotstreamを挙げているのですが・・・。
さてどうしようか?(笑
コメント
この記事へのコメント
死ぬがよい。
と、お久しぶりですm(_ _)m
怒首領蜂のレビューごちです。
怒首領蜂はPS版を持っていたのですがどういうことか売ってしまったんですよね(汗)
現在はたまにゲーセンでプレイしますが4面ボスあたりが限界です。
極太レーザーウザスw

しかしよくできたゲームでしたよね。
初めのうちは難易度もちょうどいいですし。
そのうち完全移植版が出てくれるといいのですが……
2006/08/28 (月) 16:08:14 | URL | まーとも #e6mArcUg[ 編集]
ご苦労だった・・・といいたいところだが
お久しぶりです。そしてレビュー拝見どうもです。
PS版は店で見つけたときはかなり嬉しかったものですが、いざプレイしてアーケード版とは感覚が違うと気づいたときは「やっぱりPSだとこんなものかな?」と思いました。
ちなみに4面ボスの極太レーザーはタイミングとかを把握すれば割とすんなり避けれますよ。
むしろこの後の低速弾を絡んで飛んでくる高速レーザーや5面のナパームの方が厄介だったりします。

難易度面は僕もこのぐらいがちょうどいいかな、と感じてますね。大往生やケツイと違って序盤から厄介な場所が存在するという事はありませんしシステムも結構単純ですし。
完全移植版はどうだろう。個人的にはやはり出して欲しいところですが、年代や需要とかを考えると少々厳しいところがあるかもしれませぬ。
2006/08/29 (火) 14:00:58 | URL | XYRS #-[ 編集]
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